あるカメラマン

昨日、沖縄に移住した叔父さんから電話があった。もともと東京育ちの叔父があちらに移って、もう何年だろうか。元はプロのカメラマンだったが、目を悪くしてやめてしまっていた。最近、目の調子も「頭の具合」もよろしくなったらしく、また写真を始めたという。年明けから母のところに(母の弟なのである)撮った写真をはがきにして送ってくる。


「面白い本を読んだ」という電話をときどきくれるのだ。ちょっとくすぐったいような会話を15分くらい。

こちらもお勧めの本など見繕えるときには教えたりするのだが、今回は海老沢泰久の『青い空』。小説であれば、幕末から明治がお好きなのである。司馬遼太郎フリーク。


海老沢の名は知らなかったらしく、「メールはダメだから、はがきをくれよ」とのたまう。

「じゃあ、こっちも写真撮って送ろうかな」

プロの向こうを張って、冗談にもならんが、叔父は言いました。

「お前はダメだけど、お前の兄貴は写真、うまいなあ。俺よりうまい」

兄は直感的なことに才能をもっている。「親父譲りだよな」と叔父さん。


そういう話をした。


叔父は昭和20年生まれ。60過ぎ。今気づいたが、どうも60過ぎの人たちが当方の周辺を交差している今日この頃。