王さまの耳はロバの耳
なんというか……この……マイナスの情念に取り憑かれている土地に出入りしているような気になってきている。アルバイト先の話。
「こんなところに長く関わってちゃいけないぜ」
7年勤めて、定年を迎えたおじさんは言った。
「悪いことはいわねえよ。早くどっかで真っ当な仕事、見つけた方がいい」
当方のやってる仕事そのものは真っ当なんだろうと思うのだけど、その団体の組織が真っ当ではない。まあ、バイトの身分で人の話を聞いているだけでも、呆れるほどの無責任体制である。トップに立っている人は30年近く、この組織を食い物にしている。定年になっても、居座り続けている。そういうことができるのだから、元々には余程の資産があったのだろう。それがいよいよ危ないという。どうなんだかね。
その近所の教会では新任の女性牧師が古株の信徒にいじめられて、鬱になって逃げ出す寸前とか、その組織の周辺で聞く話に明るい話がホントにない。長く関わらない方がいいと思わないではないが、当座の食い扶持である。困ったもんだ。こういうところに「一気に逆転」の可能性がないわけではないのだろうけど、まだ機は熟していないようでもある。同じような境遇で悶々としている同年代の職員二人とともに、策を練ったりする。でも、どうなんでしょうね。
この周辺の話、おしなべて観察してみると、いわゆる「老害」という言葉が浮ぶ。引退をできない人びとがあのあたりにはたくさんいるということなんだろう。
こういう気持ちに苛まれているときには、こういうところに書いてしまった方がいいかね。
「王さまの耳はロバの耳」
で、すっきりするかな。
しねえな。