一 週 間


容疑者になってしまった彼女のことは、家人の故郷へ帰省する新幹線の中で、テロップのニュースが頻りに伝えるのを読んでいた。予想外の展開であったが、普通の家庭で天真爛漫に育ったのではないことは前からちらちら言われていたようにも思うのだった。

それにしても、この1週間、ものすごい勢いで、彼女の話題はマスコミにおいて消費されていった。「終戦」の1週間とそれが重なっていた。



帰省中の1週間はコンピュータなしの生活。心なしか老眼の具合いがよくなったようにも思う。まあ、治りはしないのだろうけど。

でも、ポメラはもっていった。新幹線の中やら、座敷に寝転がって使っていた。新幹線の中では、左手でポメラをもって右手でタイピング。普通の両手のタイピングとは勿論ちがうのだけど、安定感があってよい。普通の通勤電車でも使ってみたが、両手でタイプする姿勢をとると、両側の人には目障りだろうと思う。気は遣っていても、やはりタイプする動作は読書とは違う。

もっとも、電車の中でそういうことをすること自体が目障りという人も結構いる。それはまあ、忘れないようにしたいと思いますが、ポメラのある生活が思ったより便利に思えるようになってきた。