郵政法案と連立政権

 

郵政法案を通さずに、参院選の11日投票を優先する方向が固まりつつあるという。「菅内閣の支持率が高いうちに」という民主党参院改選組の主張が通りつつあるということらしい。連立を組む国民新党としては、法案成立で実績をアピールして選挙に臨みたいというところ。いずれにしても選挙を見据えたかけひきである。


「法案の内容はどうなのか」「審議は尽くされているのか」ということは一応大事なんだろうが、そういうことがすっかり飛んでしまうのは国民新党の連立離脱が取り沙汰されるからで、マスメディアはそこを目指して一直線。「政権が不安定なのに、法案の内容を云々してどうする?」という理屈なんだろうが、それは後付け。人事が好きなのである。マスメディアも世論も。


ただ気になっているのは、法案の成否で実質的に票が動くかということ。それは各党とも有利な雰囲気を作っておきたいと思うのはわかる。高い支持率とか実績とか。でも、直接関係していると考えられる「郵政票」は法案の成否によって、大きく動くのか? まさか自民に戻る? そんなことはないだろう。自民が方針を転換したとは聞いていない。


マスメディアというのは不確定に見えるような要素を宙ぶらりんに見せておくことで、世論の関心を保とうとする傾向がある。郵政票は今国会で法案が先延ばしにされれば、民主党政権を窮地に追い込むことを望むだろうか? そのくらいのところまではメディアが示してもいいんじゃないかと思う。国民新党の人たちの表情を見る限りでは、その辺りの点ではったりをかまして、譲歩を引き出そうとしているのは見え見えではないか。亀井氏は言質を取られないよう記者に怒って見せたりして。


民主党参院選で大負けする要素が大幅に減った現在、国民新党は大勝ちしてしまうと困るという側面もある。連立政権は過半数ギリギリがいいのだ。亀井氏はいい頃合いまで存在感を示して、妥協するだろう。この前の沖縄の時と違って、大多数の国民は郵政問題に感情移入していない。その点は民主党国民新党もわかっていて落としどころを探っているのだろう。やりすぎれば浮動票は棄権へ動く。


それにしても「報道ステーション」は「反小沢」の話題をしつこく入れてくる。小沢氏のやった「二人区に二人擁立」の問題もすでに共倒れ状況はなくなったともいわれているのに、そのことには一切触れずに「反小沢」に焦点を合わせる。ここまで続けられるのだから、それはそれで大したものだとも思うけど。


いずれにしても、自民党はすっかり蚊帳の外。今夜の「報道ステーション」ではかつて権力を握っていた古賀氏が「民主の支持が落ちて大丈夫かと思ったが、自民に戻っていた分けではなかった。見込みが甘かった」と選挙対策の会議で話している場面がそのまま放送に流れていた。鳩山内閣の支持率下落を自民の復活と見ていたという事実はある意味、衝撃的であった。


なにもこんなこと、ムキになって立て続けに書かなくてもよさそうなもんだ。140字制限のストレスかもしれない。


そうそう、このプログをtwitterに連動させて、勝手にやり取りをしてくれるようにしてみたら、やたらにカウンターの数が動く。まあ、そうはいっても大した量ではないし、全部が全部、実際の来訪者ではないだろう。フォロワーも少ないし、リツイートも滅多にされないし。


でも、まあ、しばらく、こんな感じでやっていこうか。まだしばらく政治の季節は終わらないし。