退 屈 な 週 末

 


当然、モチベーションの低さということはあったのだろう。


対戦カードとしては非常に期待されたブラジル対ポルトガル。ゲームとしては締まりのない消化試合という印象は否めなかった。もともとポルトガルは好きなチームなのだが、少し前までの乱暴な感じのする荒っぽくて大胆な展開をさせるチームではなくなってしまったなあ。ユニフォームの色も茶色と紫の中間のようなものから変わってしまったし。


C・ロナウドのせいではないのだろうけど、彼に注目と期待が集まっていることは何かしらの影響を及ぼしているのだろう。フィーゴのときとはちょっと存在感の種類が違う感じ。前の試合で点をとりすぎたことで、チームに締まりがなくなっていた可能性もある。


一方、ブラジル。スペインの初戦敗北以来、優勝候補の単独トップという感じで見られているようなのだが、そういう期待感が全くなし。ブラジルは一次リーグをもたもたしながらもチームをまとめていく伝統をもつが、それにしたって、ゲームの中にさすがと思わせるシーンがあるものだ。カカがいなかったこともあるのかもしれないけど、予選通過が決まっているのだから、出場停止じゃなくても温存していた可能性はある。ああ、そういえば、ポルトガルはデコが出ていなかった。


そうか、ブラジルとポルトガルがやるのに、カカとデコが出ていなかったのか。なんだ、そういうことだったんだな。


その退屈なゲームを見ながら、今大会のこれまでのベストマッチ候補なんてものを考えてみる。

セルビア vs ガーナ
パラグアイ vs スロバキア

あと、試合内容はともかくとして「日本vsデンマーク」は日本人じゃなくてもかなり楽しめただろうと思う。


チームで見ていくと、スロベニアセルビア、ガーナ、パラグアイウルグアイ、チリがよい。当然、個人的な好みはある。しかし、大きな傾向であるようだ。「小国の台頭」なんて言葉がTVでは流れ始めている。そこに日本が入るとは思わないけど、「オシム氏が倒れていなければ…」と夢想してみる。


楽しいことに日本はパラグアイと当ることになった。今大会のパラグアイはこれまでのパラグアイとかなり違うように思われる。何度も決勝トーナメントには進出しているが、今までは、一言で言えば、南米・中米のチーム特有の「雑な感じ」がしたものだ。今回は違う。組織的なプレイが浸透している。それもヨーロッパ型の組織性ではないように思われる。


このイメージはチリ、ウルグアイを含めた南米の「小国」に共通する。チリにも予選を通過してもらって、決勝トーナメント一回戦はそれを存分に堪能できればと思う。もしかしたら、そこに大波乱の芽が潜んでいるかもしれない。


 
いずれにしても、がんばれ、チリ!