美 文 家

4月に入って、とりあえず、少し出かけていく仕事を始めることになった。通勤の友が少しは、きちんと消化されるようになるだろう。

この3ヶ月の「在宅」状態の中、読み終わらずに放ってある本が増えた。童門冬二の『新撰組』は辛抱しつつ寝る前に少しずつ読み続け、ようやく読み終わった。結局、土方歳三を主人公にすればよかったのに、というのがポイントのひとつなんだろうと思います。その他にもポイントはあるのだろうけど。

通勤している頃であれば、さっさと読み終わっていたであろう本で、途中で止まっているのは

大野晋『日本語の年輪』
柳家小三治『落語家論』
スピノザ『神学・政治論』
塩野七生『ローマ人への20の質問』

スピノザはさっさと読み終わっていたかは怪しい。大野晋さんは最晩年『日本語練習帳』が大ヒットして、今やBookOffに大量に出回っているけれど、「日本語の年輪」が一般書としてのベストであろう。

海老沢泰久キリシタン類族の本は気になっていて、折角新品で買ったのに、まだ惜しむようにして読んでいない。その代わり、直木賞受賞作を含む文庫『帰郷』を読み始めた。まあ、F−1およびその周辺を書かせれば、といったところではあります。人びとの書評の中には「美文家」なんていうのが散見される。


そこで、当方にとっての「美文家」は誰か、などと考えて、本棚を眺めてみる。

司馬遼太郎や宮城谷は好きだけど、文章が美しいとは思わない。岡本綺堂小川洋子か?? 翻訳ものでいえば、ロス・スペンサーのチャンスパーデュ・シリーズを訳した人であるのはまちがいないのだけど(田中融二)。まあ、美文ではないかな。


4月2日と3日が非常に巡り合せの悪い日と、知人と心配していたのだが、何事もなく、過ぎていこうとしています。あと4時間。何もおこりませんように。