二分化のあちら側

なにやらネットで時事系のコラムをあちこちで読むのが習慣になってしまっている。


「小沢vs検察」の流れの中で、世論がネット系とTV系に二分化された状況が顕在化しているという意見によくぶつかる。


「ネット系の総本山」とまでは行かないのだろうけど、「The_Journal」(http://www.the-journal.jp/)はある種の中心を形成しているのではないでしょうか。


そこに集うブロガーの中でも特に支持を集めているのが田中良紹さんで、この人が書くとすごい数の反応がある。たくさん集まると、話題が政治なだけに、水を掛けるためにだけ水を掛けようと努力する人なんかも出てきて、嫌がられたりする。こういうのは昔から変わらない。


「小沢vs検察」が一段落したように見える状況の中、田中良紹さんが一年近く前に書いたものをわざわざ「再掲載」している。ネットなのに再掲載もないもんだと思うが、その「再掲載」の「政治とカネの本当の話」はそういう形で再登場する価値のある文章だ。

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/01/the_journal1.html

昨今いわれるところの「脱・官僚」がどこからの「脱」なのかを透かし見せてくれる。たしか、この文章に行き当たったことで、Journalをフォローするようになったんだったと思う。


ただし、こちらも徐々にそういう言説に慣れてくると、田中良紹さんの先に進みたいと思うようになったりする。また、あんまりひとつところで議論に慣れてしまうのはいけないような気もしてくる。


それで、あっちにぶつかり、こっちにぶつかりしながら、今日は日経のサイトにぶつかる。有名どころが時事コラムを書いている。猪瀬直樹田原総一郎、大前 研一その他。

http://www.nikkeibp.co.jp/jihyo/

論調の基本は大マスコミだから「反民主」的なんだろうけど、大前研一さんの直近のコラムがなんか、こう、得も言われぬ感じなのである。


大前研一の「産業突然死」時代の人生論
小沢民主」が乱れ、国民の怒りが爆発する日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100127/207396/?P=5


まあ、もともと大前さんのことは知らないので、前からこういう人なのだといわれれば、そうなんであろうけれども、政局の見通しについての切れ味が非常に悪い。

非常に悪いことそのものには問題はない。見通しなんだから、こっちの見通しと違うから切れ味が悪いと感じるだけのことなのだろうが、問題は現状の掌握の仕方がそこまで違うかと思うほどに、違っているように感じることである。


大前さんと違っている自分が正しいとは、とりあえず思わない。それは大前さんが正しいという意味ではない。大前さんが「あちら側」にいて、自分は別の側にいるというような状況が生じているかと思って、少しくらっとした。


まどろっこしいようですが、The_Journalというサークルにやや自己移入しすぎているのではないかと、疑っているということです。どっちが正しいということではないんですが、だからといって、大前さんの議論の方がいいと思い直すわけでもない。


とにかく、ここ数日はメディアに対する自分の視点、姿勢が大きく動いているように感じています。大マスコミはネット社会では批判されてますが、ここは一気に舵を切るチャンスでもあると思う。報道機関から言論機関へと。クロス・オーナーシップを先取りして、テレビと新聞に分裂するなんて面白いけど、まあ、現実的ではないね。


iPadが発表されて、タブレットPC、本格的に流行りそう。モノとしてはほしいけど、ツールとしては今後、出かける機会がますます減りそうなので、必要ないかもしれない。