「二大政党制」?

あまりにも単純な作業の日々が続いていた。そうはいっても、この仕事が終われば、次にはもう仕事がほぼないに近い。「どうしたもんかな」と思っていたら、小さな仕事を回してくれる人がいた。ホントに小さいけど。


Twitterに政治ネタでウツツをぬかして過ごす日々も、鳩山退陣でひと休みという感じになった。なんだかわからないが、「とにかく小沢はイヤ」という身も蓋もない世論が形成され、その状況を抱えながら参議院選挙まで突き進んでいくと思っていたら、逆に開き直っての小沢辞任という大転換と菅直人氏による「反小沢」調の新政権。


鳩山内閣では20%を切っていた内閣支持率は、「まだ何もしていないのに」60%超を回復した。


多分、厳密に言えば「回復した」のではないのだろう。発足8ヵ月の民主党政権への基本的な支持率は本来この程度あるのだ。それが20%を切ったのは「支持する」と言わせない雰囲気が作られていたからなのだろう。最近の内閣支持率のマジックというのは、ネットではさんざん言われている。


今度の夏の参議院選挙で民主党がほぼ過半数をとれば、この先10年の勢力図の方向は決定するということは、3年前の参院選民主党が勝ったときからいわれていることである。どうやら、それはもう確実と言えるほどの情勢らしい。週刊誌やTVのニュースは短期的な展望の中で世論を揺さぶっておもしろがっているところがあるが、中長期的には単独で過半数になるかどうかは関係ないことはみんなわかっているだろう。連立候補は今やゴロゴロいるのである。


短期的には「9月の代表選で小沢氏復活」とかなんとか、いろんなことを言う人がいるが、それより興味深いのは、「いつ自民党が舵を切るか」だろう。今までのままでかつての勢力を回復できるとはもはや考えられないし、自民党内部でもそのことはわかっているはずである。


自民党は変わらなければならない。それはわかっているだろう。当然のことだ。問題はもちろん「どう変わるか」だが、今の自民党は「今の人材のままで変わる」を大前提にしているから、どう変わったらいいのかが見えてこない。


一番簡単なのは有無を言わさぬ「世代交代」を今は断行することである。しかし、定年制などを使った「引退勧告」ではなく、いままで主導権を握ってきた人々の「自発的な辞任」が必須。一度、世代を若返らせ、必要であれば、徐々に年長の人々を復活させればよい。別に党から除名するわけではない。


おそらく河野太郎氏あたりは、緩やかに世代を交代させるという戦略のもと、離党をしないのだろうと思う。10年後、河野氏は「適齢期」である。あと10年は待てないと考える議員は離党して新党を立てるか、引退するか、民主に移る。


つまり、自民党の大勢がこの状況にいつ気づいて「世代交代」を断行するかが問題なわけだが、これが遅れれば遅れるほど、自民党は「消滅」に近づいていく。次の総選挙前にこの決断があればいいが、だめなら若い世代の失望から離党が加速するだろう。


「第三極」という言葉が耳障りがいいのだろう。マスコミはこの言葉を好んで使うが、自民党が「二大政党制」の一方を担っているなどという状況はないのである。民主党への批判に「第二自民はいらない」というのがあるように、そもそも「自民ー民主」の両極などない。「二大政党制」への道はまだ始まったばかりで、それが「自民」「民主」の二党であるなどと誰が決めたのだ。


当座、自民党の衰微の傾向は明らかである。夏の参院選民主党がどのくらい負けるかが場合によっては自民党の運命を左右するかもしれない。限りなく過半数に近い状態であれば、小政党との連立という現在と似た連立となる。しかし、もし予想以上に負けて、連立政党の数を増やさざるを得なくなったとき、大連立の可能性が出てくる。参加政党の多い連立政権ほど厄介なものはないからだ。


大連立の可能性がいわれる中、主導権争いで自民党内部に分裂の芽が植えられ、自民消滅の日が早まる……というのはちょっと行きすぎの予想であろうか。まあ、今回、民主党はそこまで負けないようだけど。


しばらくは民主党中心の政権がつづき、連立参加したり、民主に吸収されたりする小政党が乱立するという時代になるのだろう。自民党は早晩、そうした小政党のひとつとなる。しかし、そうした小政党の中から次の政権交代の中心を担う政党が出てくるはずである。それが自民党である可能性は低くはないが、自明のことというわけでもない。


すっかり田中良紹氏に影響されているが、氏は「民主党の肥大、分裂」という展開を予想している。
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2010/06/post_223.html


twitterというのは短文勝負。長く書いてもいいけど、長いオプションはあまり好まれないように感じている。それに、流れっぱなしになってしまうので、なにやら悔しい気分にさせられる。まあ、人それぞれの楽しみ方で、よろしいんですが。