La Celeste  空色、散る

 

Copa Americaになるなどと言っていたが、結局最後のウルグアイが負け、ヨーロッパのチームがヨーロッパ以外で開催される大会で勝つことが決まり、ワールドカップのジンクスがひとつ消えた。


準決勝  ウルグアイ・オランダ戦


ウルグアイは予想以上の戦いをした。ロングシュートによる先制を許したものの、オランダの攻撃を前半は押え込んでいた。左ウイングのカイトの活躍に注目していたが、前半は完全に封じられており、右のロッベンとポジションチェンジして工夫はしていたが、それも機能せず。


それにしても、オランダは相手が南米のチームだと、いつもああいう戦い方をするのだな。ロッベンの特徴だろうか。TV解説の人は前のブラジル戦の時と同じ山本昌邦氏。ブラジル戦は日本人審判の讃美だったが、今回はオランダのファールのことをよく口にした。ウルグアイの監督が試合前の会見でブラジル戦でのロッベンについてチクチク言っていたらしい。日本のTVはそういうこと、実況中は言わないことになっているのだろうか。あれは見ていて気分のいいプレイではなかった。


この日はスナイデルイエローカードをもらった辺りから、ロッベンが突然倒れなくなる。審判がオランダに辛いと判断したのだろう。あのまま続けていたら、シミュレーションで警告もあっただろう。


しかし、まあ、試合を決したのは後半のファン・デル・ファールト投入であろう。ファン・ペルシーは相変わらずいいところがなく、スナイデル、カイト、ロッベンがうまく動けないでいたところにファン・デル・ファールトが入り、スナイデルとカイトのカバーがあやふやになったところで、スナイデルの2点めのシュート。オフサイドだろうと思うけど、後の祭り。はっきりと触らなかったファン・ペルシーの功績かな。


3点目も同様にカイトが左サイドでの自由を得ていたことで生じたゴール。前半とは全く違っていた。好調なところにファン・デル・ファールト投入で、あれだけフリーにしてもらえれば、追加点は時間の問題だっただろう。ウルグアイが守備を修正する前に一気に決めてしまったといっていい。この辺はさすがモメンタムを利用するのが上手い。


一方のウルグアイは3点目をとられた後、フォルランが完全に体のキレを失っていた。スアレス欠場でオーバーワークになったのかもしれない。それでもFKからの2点目は工夫のあるゴール。何をするかわからないと相手に思わせるのは重要だ。


解説は「ウルグアイは日本と似ている点がある」がキーワード。相手側にボールがある時の運動量が多いことで共通しているのだそうである。つまり、相手のボールを奪うためによく動くということ。「そうか、日本はウルグアイみたいになれる可能性があるのか……」などと思わせるけれど、似ているのはそこだけ。


ウルグアイはボールを奪った時点で即座に攻撃のスイッチが入る。通らなくても縦に出す。日本はボールを奪って、上手に回して、満を持してきれいな縦パスを出すことを好む。もちろん、スピードを上げなければいけないことはわかっているだろう。でも、まだできない。できないなら時間をかけてパスを回して……。そして、きれいな縦パスが出ても、日本にはフォルランスアレスもいない。


「次の課題が見つかりましたね」はもういいだろう。釜本以降、常にある「解消できない第一の課題」。


それを言っちゃあ、おしまいよ。でも、言わなきゃ始まらない。


*******


さて、ドイツ・スペイン戦。


ドイツの圧勝を予想しているけど、にわかに注目される蛸占いはスペインだったらしい。いずれにしても、激突を期待したい。