パエリヤにしてしまえ

 

蛸占いは見事に当り、「あの蛸、パエリヤにしてしまえ」と八つ当り気味のドイツの方々。スペインに負けたからパエリヤなんだろうか。それはそうと、ビジャのことを新聞とNHKはビリャといい続けている。どっちでもいいらしいが、民放は一貫してビジャ。この意地の張り合いは一体なんなんでしょうか。それならパエリヤもパエイジャだよな。飽くまでスペイン語発音では同じという話だろうとは思うんだけど。


スペイン・ドイツ戦。


スペインの完勝。しかし、スペインは強いのかもしれないが、やっぱりピンと来なかった。勝負を決めたのはDFのプジョルだったし。マスコミがあんまり「美しい」と言うものだから、依怙地になっているのかもしれない。データを並べられて、「パスの本数、成功率でダントツ」とか言われても、「勝つべくして勝った」というイメージにはほど遠い。なんなのであろう、この感覚。「美しい」といわれてもなんか猫ヒロシが目に浮ぶ。余談。


まあ、一言で言えば、期待はずれの試合だったということなんである。ゲームの前、サッカーの特番でさんまが「ドイツは続かんて」と言っているのを聞いて、やな予感。試合直前、ミュラーが出場停止なのに気づかされる。その反面、スペインは不調のトーレスを外し、それが却って吉と出ていた序盤。


つまるところ、ミュラー欠場が試合を決めた。勝負を決めたとは言わない。見たかったのはイングランドとアルゼンチンを撃破したドイツとスペインの戦い。その点で期待はずれだったわけである。ミュラーがいなければ、スペインの守備にも余裕ができる。その分攻撃に回せる。ミュラーの欠場でパスのオプションも減る。そこにケディラの故障が追打ち。エジルの疲れも指摘されていたが、決して調子が悪かったわけではないだろうと思う。ミュラーとのコンビで今大会は光っていたのだ。


ラクらの主力の穴を埋めることはできたが、もう一段、ミュラーの穴を埋めることはできなかったということだろう。善くも悪くも若いチームだったという幕切れ。ただし、4年後のドイツは恐ろしい。



それはそうと、TV放送の「無敵艦隊 vs ゲルマン魂」はよろしくない。アルメイダは結局イギリスに負けるんだし、サッカーの文脈ではスペインへの蔑称に近い。「ゲルマン魂」はトルコ系のエジルチュニジア系のケディラ、ガーナ系のボアテングが中心を担っているチームには不適切。差別的とはいわんけど、鈍感だろうと思う。


さて、3位決定戦。蛸はドイツの勝ちを予想したらしい。満身創痍のウルグアイだが、ここはミュラーソアレスの「出場停止」対決に期待。クローゼの通算得点記録にも注目。


で、優勝はやはりスペインか。スペインのこと、よく書いてこなかったが、プジョルはいい。どうもあのタイプの選手が好みらしい。オランダはカイトがどのくらい動けるかにかかっているだろう。


あと2試合。結局、サッカー漬けの一ケ月となった。